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2011年11月

行きはよいよい帰りはこわすぎ

ああ、アメリカは遠かった。

けど行きはシカゴ経由、帰りは直行便やから

ちょっとはましかなと思うたら甘かったね。

いつものごとく、もんのすごい荷物やのに、

ぎりぎりまでパッキングをせえへんケガニちゃんと

またしても汗だくギリギリで空港に駆けつけたけど

やっぱり荷物が多すぎたみたいで、なんとチェックインできず

ちなみにその時点で、スーツケース6個、ダンボール2個、

ベビーカーに、カーシート、アイスホッケーのスティック2本。

今度こそ乗りそこねるかもと冷や汗をかきながら

急遽カニママにSOSで、アイスホッケーのスティックを引き取りに来てもらい

ダンボール2個はガムテでぐるぐる巻きで合体させて

無理やり1個ということにしてなんとかチェックイン!

そのとき、もうすでに午後1時50分。

離陸予定は午後3時。

ひょえ~、こりゃまたダッシュやなと思いきや、さっきまで荷物が多すぎると

目をつりあげてたカウンターのおねえさんが冷たくのたまう。

「 出発予定は午後8時に変わったから 」

????

8時???

5時間おくれってこと???

早う、言うてえなああああああああ。

さっきから、あかん、間に合えへん!

今度こそ乗られへんかも!ってめちゃくちゃ焦ってたのに~~~~~!

あ~、よかった。

これで、ゆっくり…って、5時間って。

それはいくら何でもゆっくりしすぎちゃう?

しかも飛ばへん理由は暑いからですと。

ううん、そんなん聞いたことないけど。

なんでやろ?

とけるとか?

チョコレート製の飛行機???

うううううん。

まあ、でも、しゃあないわな、ここは家康さんになって

飛ばぬなら、飛ぶまで待とう、ほととぎす。 

そう思うた心の広いあたしにこの待ち時間の間にええことも確かにあったのよ。

それはこちら!

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ちゅるちゅるの生はまぐりっ

空港のオイスターバーでいただいちゃったよん。

香港では中々めぐりあえない美味しい生はまぐり。

アメリカに来るたんびのマストウマウマやねんけど

今回は食べそこねてたのよね~。

わざわい転じて生はまぐり~♪

と、飛ばへん飛行機の代わりに、あたしの気分が上昇気流にのったのも束の間

今度は出発時間が9時に延期

…飛ぶんやろか?

搭乗案内がやっとされてゲートに行ったけど、いつまでたっても

ゲートは開かずの門。

待つことさらに1時間近く。

やっと、やっと機内に乗り込んで、ちょっとひと息ついたけど

これからまだ16時間かいなって気が遠くなりそうになったとこに

更に気の遠くなりそうな機内アナウンスが。

「 今晩は飛びません。 明朝4時に飛びます 」

嘘やろおおおおおおおおお。

いえ嘘やありませんでした、まじでした。

脳天つきやぶるマグマの怒りのケガニちゃんの横で

疲れて眠りこけて漬物石のようにずっしりと重いコガニちゃんを抱えて

あたしは完全幽体離脱。

行きもよいよいやなかったけど、帰りはこわすぎやろ。

こんな遠いところを発見したコロンブスさんを尊敬したアメリカ旅行の

しめだったのだよ。

そして、そんな遠い遠いアメリカに、実は今また来ているのは

ここだけの話にしておこう。 

 

                    お留守番が一番 
 
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ここで一句 :  アップにも 時差あることに しておこう









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夕暮れ

アメリカではたくさんの人がコガニちゃんと会えるのを

楽しみに待っててくれた。

ケガニちゃんの家族、親戚、お友達、そして 

ケガニちゃんとケガニちゃんの妹にとって

本当のお祖母さんみたいな存在の乳母やさん。

きかん坊でやんちゃくれやったケガニちゃんが唯一こわかったんが

乳母やさんの大きな木のスプン。

これ以上悪さしたら、これでお尻たたくよって

乳母やさんがそのスプンをかざしたら逃げまわってたというケガニちゃん。

わたしとケガニちゃんが結婚したときも、とびあがるほど喜んでくれて

ケガニちゃんを大事にしてあげてね、いい奥さんになってあげてねって

何度も繰り返しながらあたしの手を握った乳母やさんの皺だらけの手は

びっくりするほど力強くて

けど、もしケガニちゃんが悪さをしたときは、あたしが木のスプンで

お尻をひっぱたいてあげるからって

ウィンクした顔は、女の子みたいにかいらしかった。

もう90をとうに越えてた乳母やさん。

あたしとケガニちゃんの赤ちゃんに会えるのを

指折り数えて待っててくれた。

その乳母やさんの膝の上に

こんにちはって、やっとコガニちゃんをのせたとき

もうほとんど見えなくなったその目をやわらかく細めて

こんなに可愛い赤ちゃん見たことないって

何度も何度もコガニちゃんの頭を撫でてくれた。

その乳母やさんが安らかに眠るみたいに旅立ったのは

あたしらがアメリカから発つはずやった日のほんの二日前やった。

あたしは初めて見た。

あんな風に声をあげて泣くケガニちゃんを。

お葬式のあと夕暮れた庭で

みんなで、また一本の苗木を植えた。 

乳母やさんと同じ名前の花が咲く木。

見てるだけでこっちまで、笑顔いっぱいになってしまうよな

いつも花咲くような笑い顔やった乳母やさん。

美しく静かに暮れてく空の下

美しく静かに暮れてったその人を、誰もがじっと思うてた。

今はまだ、涙を夕焼け色に染めながら。

 

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