カンパチセールス
だ~れも信じてくれへんねんけどさ、
あたしはこう見えても、ちいちゃい時は、すっごい人見知りで
シャイで口下手やったのよね~。
まぁ、うちのオカンがマグナム級のしゃべりと言うのんも
あるけんど、ちいちゃい時は、オカンがすごい勢いでしゃべり
「 何で何にも返事せえへんの?」 と訊かれ
「 だって、お母さんがずっとしゃべってて、しゃべるひまないもん 」 と答えたとか。
親とでも、しゃべれへんのに、知らん人なんて、とんでもなく
ハマグリのようやったあたくし。
オカンが店員さんとか、タクシーの運転手さんとか、知らん人と
しゃべりまくれるのが不思議でしゃあなかったのよね~。
そんなハマグリ娘が気がつけば、年と共にどんどん口を開きはじめ
最近なんかね、もう、ぱっくぱくよ、ぱっくぱく
タクシー乗っても、運転手さんと、しゃべるしゃべるしゃべるしゃべる。
自分でもこわい。
この間も、愛してやまない銀平さんで
カンパチのぷりぷりじゅうじゅう焼き魚定食を食べてたら
後から来てとなりに座ったおっちゃんが、刺身定食にするか
焼き魚定食にするかで迷うてはる。
その時点でもう、このカンパチ美味しいよ~~~、
焼き魚にし~~~って、おっちゃんにおすすめしたかったけど
びっくりされるかと思うて我慢。
ほんだら、おっちゃんがあたしのお皿を見て
「 おお、美味しそうやなぁ~、この焼き魚は何? 」 と
店員さんに訊きはった。
うずうずうず。
「 カンパチ、カンパチですよ~ 」 と言いたいけど
店員さんに訊いてはるんやし・・・と我慢。
そしたら店員さん。
「 ええっと、それは何でしたでしょう、ちょっと訊いてきます 」
と奥に消えてった。
うずうずうず、うぎゃあああああああ。
我慢の限界なのだわ。
「 あ、これね、カンパチです。 美味しいですよ~、よう油のってて 」
と、ついに、おっちゃんに話しかけてもうたあたし。
おっちゃんも、ちょっと、ぎょっとしはったけど
「 え? カンパチかいな。ほんま美味しそうやなぁ 」
と話しにのってきて
「 はい、ほんまに美味しいですよ~、ぷりぷりしてて、
ようご飯にあいますわ~、おすすめですよ、おすすめっ 」
とあたしのセールストークは盛り上がり、
おっちゃんは戻ってきた店員さんに
「 じゃあ、僕もこのカンパチの焼き魚定食にするわ~ 」
とご注文。
おほほほ、カンパチセールス、一丁あがり~と思うてたら
「 あの~、カンパチは今日、もう終わりました~ 」
と店員さん。
ち~ん。
あたしのこの数分間は何やったんでせう。
・・・・って別にほんまにカンパチのセールスマンやないねんけどさ。
な~んとなく気まずくなった空気の中、その後は無言で
もぐもぐ食うたとさ。
でも、カンパチ美味しかったじょ~~~♪
あたしは無口だもの
ここで一句 : はりきって しゃべった時ほど ドツボふみ~
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