うれし桜

さてさて大阪初日。

あたしとケガニちゃんが向うたのは、いつもお参りするお宮さん。

こちらで　『　オカ嫁　』　ヒット祈願　をしてもらうのじゃ～。

 

この拝んでいただく予約をオカンにしてもうてんけどさ

これがまた大変でしてん。

「　今度帰ったときな、お宮さんで拝んでもらいたいねんけど。　」

「　何を？　」

「　小説の仕事がうまいこといくように。」

「　小説ってなんやのそれ。　」

「　あたしの書いた小説よ。　」　何べんも言うたやんけ～。

「　へえええええ、　あれ、ほんまやったん？　」

「　・・・・・ほんまです。　せやから、デビュー作がうまいことヒットするように

拝んでもらいたいねん。　」

ここで一応わかったわかったと言うてたオカンから翌日に電話。

「　昨日な、お宮さんに電話したらな、そら、わかりませんなぁて言うてはったで。」

「　？？？？？　何がわからんのん？　予約いっぱいってこと？　」

「　ちゃうちゃう、小説の話し。　」

さらに増えるハテナマーク。

「　どういうこと？？？　」

「　いや～、神主さんにな、うちの娘がなんや、小説家になりたいって

言うてるんですけど、なれるでしょうかって訊いたらな、

そら、わかりませんなぁって言うてはった。」

・・・・・誰もそんなこと訊いてくれとは頼んどらんっっっ！！

それにな神主さん、占い師やないんやからさ。

なれるでしょうかって訊かれても困るがなっ。

お願いするのよ、お願い～～～。

「　あの～、昨日、何べんも言うたけど、あたしのして欲しいんは

小説のヒット祈願やねんけど。」

「　そんなもん、それこそ売れるかどうか、わからんやないの。」

「　だから、ヒット祈願してもらいたいんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁ。　」

その後、百万回ぐらい、して欲しいのはヒット祈願というのを繰り返して

電話を切ってんけど、この日、神主さんとお会いしたら

「　小説家になれますようにというお祈りでよろしいんですね。　」

と言われた。

・・・・・やっぱり伝わってないがな☆

いえいえ、ヒット祈願なんですと訂正し、ようやく祈願祭開始。

神殿にあがって、神妙に座ってると、それだけでも

効き目があるような気がするわん。

その上、おおぬさでシャランシャランとお清めを受けたら、

気分はすっかり　『　プロポーズ大作戦　』

神のおん前に身をゆだねたるぅぅぅ、　咲乃月音の願いをかなえたまえぇぇぇぇ。

おお、ええ感じ。

ほんまに願いがばっちり叶いそう。

滞りなくお祈りも終了して、恒例のおみくじ。

                     大吉！

しかも、うれし桜やってさ。

なんか、はまりすぎててこわいほどやけど。

春爛漫、うれし桜がいっぱい咲きますようにと、

もういっぺん、手をあわせたのだよ。

ここで一句：　　うれしさに　花と一緒に　笑顔咲き